気持ち良い逆転
日曜日午前中は特に予定がなければガストで集中して何かをする日にしている。
なので、この貴重な時間も将棋をしてしまうのはどうかと思うのだが、息抜きに将棋をしたら、大逆転将棋になったので、メモ。
32桂成が痛打で相手勝勢となった。
同金なら飛車がタダ。かといって他に適切な受けもない。
【図1】
投了してもよい局面だが、一応粘る。粘りの手は74桂のふんどしから。
その後丁寧に相手の狙いを受け続ける辛抱の展開。
すると、相手から悪手が出る。91飛打。この悪手でー2000からー600まで持ち直す。
この飛車は同銀ととれる。
【図2】
相手72金打。これは詰めろではない。この後に71金と金をとれば、72竜~92金~の詰めろなので、いわゆるイーシャンテン状態。
それを確認したうえで、待望の46桂。58飛からの攻めを見せている。
これに対して48金なら28飛打を狙っている。
【図3】
以下の局面82桂にかえて69銀などの詰めろをかけて思考停止したいところだけれど、
92金打ちから詰むので、きちんと受ける。
【図4】
これに対して、相手は72金。これは詰めろではないので、待望の69銀。
その後、68金打、78銀成、同金と進んだ局面が以下。待望の詰めろをかける一手を考えてみてください。
【図5】
正解は、97歩成。これに対して79銀ときちんと受けていれば、形勢は互角だったが、
相手時間も短く、詰めろと気づかなかったのか、82金。以下78飛成同玉96角より詰みとなります。
【図6】
鋭い読者なら気づいたかもしれませんが、図4と図5は持ち駒が銀から金にいれかわってるだけなんですね。そしてどちらの駒であっても図6の局面では詰むので、図4の時点で69銀ではなく、97歩成でいいんですね。
しかし、局面をよく見てください。
持ち駒が金だと、一見詰むかどうか判断できませんが、銀だと88銀同金同飛成で詰むのがすぐわかりますよね。なのできっと79金打とうけてくるかもしれません。そうすると互角の局面です。
そうなんです。相手のミスを誘うためにわざと69銀打ちから自分の持ち駒を銀から金に変えて、詰めろかどうかの判断が難しい形にして、詰めろであることに気づかせないようにしていたのです。
・・って言えるとかっこいいですが、実際は、あとから分析した結果です・・。
コンピュータ将棋がまだ実装されていないところは、単純な最善手だけでなく、心理戦まで考慮した指しまわしだと思います。相手のミスを引き出しやすい手・・。
あとは、指導将棋の指しまわしですね。厳しい手ではなく、相手の棋力を図りながら互角の形成を維持し続けるみたいな。
アマの高段者はこのあたりも考慮して将棋指している人はいると思います。
まだまだコンピュータ将棋も強くなるだけではなく進化の余地はありますね。
→今回の棋譜 #shogiwars
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